2014/02/24 第110回 - 程木 義邦 博士

 第110回の懇談会は、慶應義塾大学の 程木 義邦 博士の話題提供で行うことになりました。皆様お誘い合わせの上、ご参加下さいますようお願い申し上げます。

 


第110回汽水域懇談会

 

日本における有毒シアノバクテリアの分布と生理生態学的特性 

程木義邦博士(慶應義塾大学経済学部助教)

日時:2014年2月24日(月曜日) 17:00〜18:00

場所:島根大学汽水域研究センター2階 セミナー室(201)

 


 

【発表の概要】


  富栄養化した湖沼や貯水池ではシアノバクテリアが異常増殖し水面に集積する「アオコ」と呼ばれる現象がみられる。シアノバクテリアには有毒物質を生産する 種も多くみられるため、アオコの発生は上水や内水面漁業に利用される湖沼や貯水池では公衆衛生上問題となる。一方、これまでに毒生産能が報告されているシ アノバクテリアでは、同一種内に毒生産株と非毒生産株が混在しており、形態では毒生産能の有無を区別することが出来ない。そのため、毒生産株の分布や生理 生態、毒生産に影響を与える環境要因については、主に単離株を用いた研究が行われてきた。

 しかし、この十数年の間に主要なシアノトキシンについてはその生合成遺伝子群が解明されており、現在ではこれらの遺伝子を標的としたマーカーを作成し環境中から毒生産株をDNAレベルで検出・定量する研究が行われるようになった。

  本講演では、これら分子生物学的手法を用いた研究により明らかとなりつつある有毒シアノバクテリアの分子系統地理と生理生態学的特性について、特に日本で の出現頻度が高いMicrocystis aeruginosaとCuspidothrix issatschenkoiを中心に 紹介する。