2005/07/01 第064回 - Dr. David Dettman

第64回汽水域懇談会

7月14日(木曜日)夕方より第64回汽水域懇談会を行います。皆様お誘い合わせの上、ご参加下さいますようお願い申し上げます。

 

『Geochemical approaches to paleo-environmental analysis and restoration ecology in the Gulf of California(カリフォルニア湾における古環境解析と修復生態学への地球化学的アプローチ)』

Dr. David Dettman アリゾナ大学 Research Scientist(前 汽水域研究センター 客員教授)

David Dettman 博士は、河口域を含む水域の過去からの環境変化について、安定同位体の手法などを用いて明らかにする研究を行っています。昨年まで1年間、客員教授として島根大学汽水域研究センターに着任していました。
今回の懇談会では、この分野の最先端の興味深いお話が聞けるものと思います。皆様のご来聴を心よりお待ちしております。

日時:平成17年7月14日(木曜日)午後5時より1時間程度
場所:島根大学汽水域研究センター2階演習室(201)

皆様のご来聴をお待ちしております。
../seminar/64thReCCLESeminar2.pdf


Abstract:
The idea of "Conservation Paleo-biology" is very important in the study of ecosystems that have been affected by human activities. In many locations we lack the important baseline conditions to compare with the modified modern habitat. This raises critical questions in the context of restoration - what conditions were present before human impact, what conditions were optimal for the organisms, and what variability was tolerated by successful populations within an ecosystem? 
The Conservation Paleobiology Group at the University of Arizona uses paleontological and geochemical techniques to reconstruct environmental conditions in locations where instrumental records and observations are few or lacking. We also add time depth to the study of critical ecological questions, looking at the last 1000 years of environmental change instead of the last 50 years.
This talk will survey some of our recent work: 1). The last 1000 years of salinity change in the Colorado River Delta; 2). Ultra-high resolution sampling of marine bivalves for diurnal isotope variation; 3). Salinity requirements of the near-extinctMulinia coloradoensis in the Colorado River estuary and flows required to restore a viable population; 4). Stable isotope evidence for importance of the Colorado River as a nursery ground for commercial fisheries in the Gulf of California.

要旨:
「保全古生物学」の考え方は人間活動によって影響を受けてきた生態系の研究においてとても重要である。多くの場所で、近年の改変された生息場所と比較するために重要なベースラインの状態が分かっていない。つまり、修復を考える上で、人間活動による影響の前にはどのような状態であったか、どのような状態が生物にとって最適であったか、そしてある生態系で生き残った個体群はどのくらいの幅の環境変化に耐えられたのか、という本質的な質問が出てくる。
アリゾナ大学の保全古生物学グループは、機器による気候や環境の測定記録と観察が少ないか欠けている場所において、過去の環境条件を復元する古生物学的および地球化学的手法を用いている。我々はまた、重要な生態学的質問に関する研究に、時間的な深さを加え、過去50年間の代わりに過去1000年の環境変化を見ている。
今回の話題提供では、我々の最新の仕事のいくつかを概観する。1) コロラド川デルタにおける過去1000年の塩分変化、2) 一日の中での同位体の変化を解析するための超高解像度の海洋性二枚貝類のサンプリング、3) コロラド川河口域で絶滅に近いMulinia coloradoensisの塩分要求と個体群再生に必要な流れ、4) カリフォルニア湾の商業的水産資源にとってコロラド川は幼稚仔の生息場所として重要であるという安定同位体の証拠。