2010/07/22 第092回 - 倉田 健悟 博士

第92回汽水域懇談会

2010年7月30日(金曜日)夕方より第92回汽水域懇談会を行います。皆様お誘い合わせの上、ご参加下さいますようお願い申し上げます。

中海本庄水域における底生生物調査について(続報)
倉田 健悟 博士(島根大学汽水域研究センター)

日時:2010年7月30日(金曜日)17:00〜18:00
場所:島根大学汽水域研究センター2階セミナー室(201)


発表の概要:
現在、中海本庄水域の堤防開削などの地形改変による汽水環境への影響の可能性に関連した調査が複数の研究機関等によって行われている。発表者らは、中海本庄水域の森山堤を開削した前後における環境と生物群集の変化を調べるための長期的な調査を2006年より開始している。
2006年5月より毎月1回、本庄水域と中海の定点においてEkman-birge型採泥器を用いて堆積物を採集し、船上で0.5mm目合いのメッシュネットを用いて細かい泥を落とした後、残ったものをポリエチレン袋に入れて実験室へ持ち帰って10%中性ホルマリン溶液で固定した。底生生物を選別して可能な限り同定し、個体数と湿重量を計測した。現在も調査を継続中であり、全ての試料の分析を終えていない。2010年1月に予報として一部の結果を報告したが、今回は追加されたデータを含めた解析結果を報告する。
2007年7月までに西部承水路堤の撤去がほぼ終了し、2008年5月30日に排水機場跡地の潮通しが行われ、2009年5月11日に森山堤の一部開削が実施された。また、2006年7月に比較的大きな出水があり、中海の塩分が大幅に低下した。本庄水域の調査地点で2008年以降にアサリやシズクガイが見られた理由として、西部承水路堤の撤去の影響が大きいと考えられるが、地形改変の影響と年毎の環境条件の変化とを併せて底生生物の変化を考察する必要がある。
また、底生生物群集の長期的な変化を文献から整理してまとめたものはこれまでほとんどなかったため、参照される資料の一覧が有用であると考え、中海と宍道湖における底生生物群集に関する既存の資料を整理することを試みた。
本報告の内容は、島根大学プロジェクト研究推進機構重点研究部門「地域資源循環型社会の構築」および科学研究費基盤研究(A)課題番号19201017「ラムサール条約登録後の中海における汽水域生態系の再生と長期生態学研究」によって行われた研究の一部を含む。