2012/11/21 第106回 - 中川 昌人 博士

第106回汽水域懇談会

2012年12月6日(木曜日)夕方より第106回汽水域懇談会を行います。皆様お誘い合わせの上、ご参加下さいますようお願い申し上げます。

ウミショウブの生活史
中川 昌人 博士(島根大学汽水域研究センター)

日時:2012年12月6日(木曜日)17:00〜18:00
場所:島根大学汽水域研究センター2階セミナー室(201)


発表の概要:
植物の多くは陸上で進化してきましたが、一部は水域、海域へと適応し、生育環境を広げています。これらの植物は様々な生態、繁殖に関わる形質での特殊化を行っており、同時に、沿岸域に海草藻場と呼ばれる独自の生態系を形成しています。温帯域ではのアマモ、コアマモなどの少数の種が海草藻場を構成していますが、熱帯地域には種の多様性の高い、複数種の混成による藻場が形成さており、海草藻場といっても構成種やそのあり方には多様性があります。
ウミショウブは熱帯性の海草類の1種で、インド洋から北西太平洋にかけて広く分布し、日本国内では石垣島、西表島に生育しています。地上部は40〜150cmになる大型の植物で、底質の撹乱にも強い耐性をもつことが知られています。ウミショウブは非常に特殊化した繁殖様式をもち、時に大潮の最干潮時に一斉開花を行うことが報告されています。また、種子は内部に空気をため込むことで浮力をもち、海流による散布を行います。このようにウミショウブは海環境を利用することで生活環を完結し、海域への適応を成し遂げている種であると考えられます。私はこれまでに沖縄県西表島において野外調査や解剖学的観察により、そのメカニズムを明らかにするため研究を行ってきました。
本セミナーでは私が進めてきたウミショウブの繁殖様式についての研究内容を紹介し、熱帯性海草類の生態、生活史と海環境の関わりについてお話ししたいと思います。


 


雄花、雌花

 


果実