01

正しさが必要になる瞬間

デザインでは、選択を求められる。色、形、素材、余白、言葉。その判断には目的や制約があり、説明できる理由も必要になる。だから私たちは、正しい答えを探そうとする。

しかし、目的に適っている案が複数あるとき、正しさだけでは最後の一つを選べない。そこで表れるのが、つくり手が対象をどのように見たかという差だ。

02

深いとは、観察の層が多いこと

深さは、難しい言葉や複雑な造形のことではない。対象の歴史、使う人の身体、置かれる環境、素材の由来まで、いくつの関係を見つけられたか。その関係を、表現の細部に戻せているか。

判断を『正しいか』から『この世界をどこまで深く見ているか』へ移すと、自分の答えを絶対化せずに、同時に引き受けることができる。

03

判断を他者に委ねないために

自分の視点も、他者の視点と同じように、ある経験と立ち位置から生まれた一つのベクトルである。唯一ではないことは、弱さではない。どこから見て、何を大切にしたかを言葉にできれば、その判断は共有可能になる。

残った問い
いま選ぼうとしている案は、対象の何をいちばん深く見ているだろう。